バタンと大きな音をたて、私たちの後ろから現れた人影。
「おーい、下調べは済んだか〜。」
「ういーっす。」
「”うぃーす”じゃないでしょ!」
「はいはい。」
「なんだ?夫婦漫才かな。」
「だ、だれがこんな男(奴)と!!」
「ふっ・・、 でだ。どんな感じだった。」
白い手袋を口を使いながらきようにつけるが、大きいその手には少しばかり小さいのではないかと思った。
「ほう、兎がねぇ。」
「酷いですよね・・。」
「靴を履いたまま、部屋にあがっているところを見ると、誰かに襲われて 逃げる途中で何かにつまずき、倒れた拍子に靴が片方脱げて、案の定、犯人に絞殺されたということかな。」
「はい、隣の住人は現在空き部屋で、今まで死体があるなんて大家さんも気がつかなかったようです。また、家賃は3ヶ月分ほどいつも多く出しているようで、実は親元の住所から仕送りできていたようです。本人は、受け取りたくないということで家賃という形に・・。」
「ほうほう。で、怪しい人物の情報はどうだ天地。」
「はい、現在これといった情報は入ってませんが。。。彼の勤める会社からこの家の電話に、10数件電話があったようで、このアパートに確かめることもなく現在に至るようです。妙ですよね、会社に来なければ、調べに来るくらいあってもいいはずなのに。」
「そうだな。」
このがっしりとした体つきの男の名前は「猩猩 武」(しょうじょう たけし)という。名推理と冷静な判断力で現在、警視庁につとめている。つまりは、私たちの”上司”というわけだ。
「それで、調べるのに苦労しましたよー。どうぞコレを見てください。」
ネザーランド
短毛で小型のウサギ。好奇心が強く活発で、人にあまり馴れないタイプと友好的なタイプがある。かわいらしい仕草と活発に動く姿に惚れ込む人が多く、日本ではもっとも人気のある品種である。
一般的には「ピーターラビットのモデル」と言われているが、実際は絵柄のみのモデルであり、ストーリーにおけるモデルは野生のアナウサギである。また、ペットショップ等で「ピーターラビット」という品種として売られているウサギは、ほとんどがこのネザーランドの雑種である。
フレミッシュジャイアント
ヘアを原種としてを品種改良された。ウサギの中では非常に大きなサイズの品種で、人形のようにおとなしい。大きな体に加え、最大7〜8キロ近くまで体重が増える。
同様の大型種としては、本来食肉用に作られた「ニュージーランド」、大型でも活発な性格の「チェッカードジャイアント」、ノウサギの性格を残した頭のよい「ベルジャンヘア」等がある。
ロップイヤー(主な品種:アメリカンファジー、ホーランド、イングリッシュ)
耳が非常に大きく垂れているのが特徴で、「イングリッシュ」のように、本来は中型のウサギであるが、人為的に品種改良された「ホーランド」や長毛種の「アメリカンファジー」のように小型になっているものが多い。他の品種と比べて顔が丸く愛嬌があり、性格は非常におとなしく、人にもよくなつくので、ペットとしては人気が高い。 (wiki参照)
「で、コレがどうしたっていうのよ。」
「この3種が被害者が飼っていた兎の種類です。」
「天地、何を自慢げに・・・。まぁいい、それで鑑識の結果からは、足の引っかき傷は、兎のものだったということだな。」
「そうです。でも、引っかき傷くらい飼い主ならできるはずですし、あまり重要視する点ではないかと。」
「今のところは、被害者の会社関係と恋人、身内との関係を洗うしかないな。」
「はい。」
「ところで天地、”獅子搏兎 ”っていう言葉を知っているか。」
「い、いえ 。」
「猩猩さん、天地が知るわけ無いじゃないですか。」
鼻で笑われた。
「な、なにを。」
「いいか天地、”獅子搏兎 ”とは”容易なことにも全力で努力する”という意味だ、単調な近所の不審者情報を聞いて回る仕事が一番大事なんだ。肝に銘じておけよ。ウサギ博士になりたいわけじゃないんだ、種類なんて調べる暇があったら走りにいけ!」
「は、はいぃ。」
いつも怒鳴られてばかりというのは、気のせいだろうか・・・・。
「乾杯!」
「今日は飲み明かすぜーぃ。」
「やっほーい。」

日付が変わった、深夜1時過ぎごろ、同僚と一緒に部屋で飲む酒。美味しいとはいえないが、酒(これ)がけりゃ仕事なんかできやしない。明日も、被害者の会社に行かなきゃいけないんだよなぁ・・・・少し鬱はいりそうだ。でも動物をあんなふうにした奴を私は絶対に許しはしない・・・。
酔いつぶれる男供に軽く悦をしながらも、夜明けの曙を映す私の瞳には涙が浮かんでいた。
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